まんがくらぶ2016年9月号

まんがくらぶ2016年9月号の感想
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『堕天使の事情』 神仙寺瑛

 「ども来客です」 80年代ラブコメっぽい展開。そういえば、サングラスにヒゲというのも80年代っぽい。

『白滝高校きぐるみ部』 橘紫夕

 「2人で始めた」ときには、自分がカウントされているが、「4人に増えた」ときには、自分はカウントされていない。教師の立ち位置の変化と、生徒の自立と。

『春と秋について』 むんこ

 大学生の段階で、すでに立ち食いソバ屋のオバちゃんと顔なじみになっている春香ちゃんの常連力の高さ。

『せんせいになれません』 小坂俊史

 「静かに遅れる」 四角に入ったモノローグ的なコマを、あえて3コマ目にして、詩情をかきたてる。漢詩的な味わいがあって、本来の意味での「起承転結」なのでしょう。慣れていない作家だと、1コマ目と4コマ目の時刻や日付の情報を、四角のモノローグに入れたくなるところ。それを避けて、ふきだしとふきだしの間の自然な視線の動きの中に、きっちりと時刻と日付の情報を入れてしまうのは、さすがの技術力。
 「もう人種が違うとしか」 そして、河田先生は漫画家になり、林さんと沼倉くんは編集者になって、しあわせに暮らしたということじゃ。めでたし、めでたし。
 「アフターケア」 職場にプールとベッドがあるのというは、リゾートホテルの従業員もそうですが、そちらには、幸運を謳歌する権利は無いだろうなあ。
 「熱心ですねえ」 ゆとり休暇から、詰め込み休暇へ。
 「クールダウン」 河原に座って素に戻れるか、というのは、人間にとって、かなり重要なこと。そのようなことができなくなった人間は、基本的に信頼できないと思っています。例えば、『ののちゃん』で、いしいひさいち先生が、ワンマンマンをこのシチュエーションに置いたのは、偶然ではないと思うのです。

 「継続は力だ!! 桃山」 一応、設定上は新任教師なのに、1165日も見られていたという恐怖。
 「グラスは伏せたまま」 研修会の名前で予約を入れるのも、あまりロックじゃない。

『思春期コーヒードリップ』 裕木ひこ

 テーマがオレンジなので、カラーページにも、オレンジっぽい色合いを交えて。リアリティと演出のバランスを考えて、色調を自在に調節できるデジタル彩色だから可能になった、面白いアプローチですね。

ゆるめいつ』 saxyn

 息を吐くようにコントが始まる。

『鳩子のあやかし郵便屋さん』 雪子

 京都大将軍商店街のモノノケ市を思わせますが、貧乏神と狛犬の組み合わせは、月光町も連想させます。